イノセント・デイズ読んで鳥肌が止まらない。

昨日購入しておいた「イノセント・デイズ」(早見 和馬)。

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同時に購入した「最高の体調」、「週40時間の自由をつくる 超時間術」を読み終え、本書を読もうと手に取る。

 

彼女「あっ、なんかそのタイトル聞いたことある気がする。」

 

急遽ネットで調べると、2018年にWOWOWでドラマ化されていた。

 

これは失敗したかな。と後悔。

私個人の偏見だが、ドラマ化、映画化される作品は御都合主義の「またか。」と感じさせる終わりばかりだ。完全なる偏見だからね。

 

あらすじ

田中行きの、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。強行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追走から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも悲しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は・・・筆舌に尽くせぬ孤独を書き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

 

記事を書いてて思った。ミステリー、、ミステリー、、、ミステリー、、、

そうか、一応ミステリーだった。

 

プロローグでは放火殺人犯 田中幸乃 が裁判で、死刑宣告されるシーンが書かれている。

過去に養父から暴行を受けていた、強盗致死事件を起こしていた。と触れられているが、実際はどうだったのか。

 

田中幸乃の過去について1章から続いていく。そしてエピローグでは、、、

 

本書では主に田中幸乃の人生について書かれている。

 

連れ子同士の姉妹という特殊な家庭ではあるが、幸せな家庭に育ち、友人にも恵まれた幼少期を送る。しかし、母の交通事故という不運で一家離散、親友からの裏切り、そ強いて最愛の人からも捨てられ、放火殺人を犯した、、、

 

わけではなく、放火殺人については冤罪なのである。最後の最後で真犯人が見つかりエピローグに続く。

 

この時点で私は思った。「助かっちゃうのかよ。無罪でハッピーエンドなのかよ。」

 そんな思いはいい意味で打ち砕かれた。

 

エピローグ、物語の最後で田中幸乃は死刑執行された。彼女は無罪であることを認めず、生きることより死ぬことを選んだのだ。

 

そんなエピローグを読んでいると身体がゾワゾワするのがわかった。鳥肌がたっていた。

 

最後に

読み終わると充足感に満ちていた。誰でも良い作品を読むと、何かしら思うものはあるだろう。

 

巻頭では放火殺人(田中幸乃)のニュースを見た人、巻末では誘拐殺人のニュースを見た人が語っている。

「なんか、いかにもだよね。」

 

犯罪者は犯罪者たらしめる何かがあると。

テレビ越しの犯罪者に非日常、自身とは違う人間なのだと思いをはせる。果たしてそうなのだろうか?テレビに映る犯罪者は私たちの望む犯罪者じゃないのか?犯罪者は私たちの敵、悪者だと勝手に決めつけてはいないだろうか。

 

人生どこで転落するかなんてわからない、自身もいつそちら側の人間になるかなんて誰にわかるのだろう。

 

 

死刑制度について、メディアの報道について、冤罪について、作者は様々なことを伝えようとしているのが感じられた。

 

ただ、私から作者に伝えられる事があるなら、この言葉を送るだろう

 

「田中幸乃を殺してくれてありがとう。」